夜風レコード〜窓を叩くノイズ

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森雅之「追伸」を読んで

拝啓、森雅之様。
いつも忘れた頃に(失礼!いえ、決して忘れているわけではないのですが…)、本屋さんの書棚で新刊を発見しております。
先日も、いつも寄る本屋のセンターの平積みの所に目をやると、な、なんと「森雅之『追伸』」と、あるではないですか。
手に取ると、まさに「あの!」森雅之。すぐにレジに走ったのは言うまでもありません。ごめんなさい。嘘です。
実はその日、手持ちがなかったもので、実際手に入れたのはその2日後でした。
帰りの電車の中でそっとページをめくりました。いつもは短編集なのに、この「追伸」は、長編!続きマンガではないですか。
森さんが住んでいる北海道を思わせる、澄んだ、それでいて暖かい(暖かすぎない、でもいつもよりは温度は高め?)ラブストーリー。読み始めてすぐ、胸が熱くなったのは言うまでもありません。
2人の純情さには、「うそだろう?」と思ったのも束の間、8話での「酔っぱらって電話」のところ、恥ずかしいくらい共感してしまいました。
いつも、自分の中の17歳くらいまでの心が共振しているのですが、今回は18〜25くらいまでの自分が揺さぶられました。
いや、しかし実はまだ、その8話までしか、読んでないんです。だって、もったいないんだもん。
森さんの作品はいつもそうです。1話1話が大切な感じがして、一冊一気に読むのは、非常にもったいないのです。こんな作家さん、そうそういません。あとはそうだなあ、高野史子さんとか、かな。新刊がなかなかでないのも似てるかな。
とにかく、まだ全部読み終えてはいないので、本当の意味での感想ではないのかもしれませんが、なんだか、早くお便りしたくて、このような次第になったわけです。
読み終えたらきっと、いつものアスファルトに寝っ転がって、夜空を仰いでるような気持ちになるんだろうなあ。それがとても、楽しみで、でも読み終えるのがもったいないんだよなあ。どうしたものか…。
10年以上も前に、森さんの作品にインスパイアされてできた、わたしの唄があります。こんな詞です。

〜星降る夜〜

今日一日を終えて 布団に潜り込んだ
この夜の下で みんなの寝息がひとつになる
おやすみ おやすみ
風がまわって あの娘のところまで
夢を届けた

灯りを消した 一瞬の闇のうちに
僕のアンテナが 窓の外に張り巡らされた
おやすみ おやすみ
星がまわって 遠くの誰かの
祈りが届いた

熱い想いに その身を焦がしながら
星が降って止まないなら
どんなに静かな夜でさえ
それはとても 情熱的だと思う

…どうでしょう。自分では気に入っているのですが。機会があれば、唄もおとどけできたらなと、思います。

ながながと、下手な文章で、申し訳ありませんでした。
これからも、森さんの新しい作品に出逢えるのをたのしみに、また町の本屋さんをぶらつきます。
それでは、お体に気をつけて。おやすみなさい。

CQ!CQ! 君んちのアンテナは光っているかい!

追伸―二人の手紙物語

追伸―二人の手紙物語